「…真夏の奇跡だよね。まさにさ」
「?…お前の頭のバカさ加減か?」
黙々と本に目を落として、さらりと酷いことを言った男子生徒、山県は隣で描写できないほどの気持ち悪い眼差しを(山県主観)教室に向けている友人−伊藤に声をかけた。
「ちょッ!何でそうなるの!!この周り一面に広がる景色に決まってるでしょ!ていうかこの情景のなかで本読んでいる山県の方が意味わかんないし!」
バンッと机を叩いて辺りの一面を見せつけるように伊藤は目を輝かせた。−半袖の女子たちを見て。
「夏が始まり完璧にガードされていた肌が見え始める…男にしてみればこんなロマンはないよ!やっぱ夏はいいよね〜!」
「…」
山県がドン引きした目で伊藤をみるが、伊藤はもちろん気づかない。キラキラと間違った目を女子たちに向けて自分の世界にトリップしたまま。
「やっぱに夏はいいね〜!これこそまさに真夏の奇跡!」
キラキラと輝いた目が同意を求めるように山県にも注がれたが、山県はただため息をつくばかりだった。






真夏の奇跡?
(…真夏の病気の間違いだろ)



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -