行き場のない愛


【インタビュアー;イ、町田暁子;町

イ;この度はご結婚おめでとうございます!
町;ありがとうございます。
イ;今、一番幸せな時期だと思いますが、毎日旦那さまと欠かさずなさっていることはありますか?
町;毎日ですか? ……そうだなあ、犬の散歩に一緒に行くようにしています。
イ;それはすごいですね。
町;旦那も私も犬が大好きなもので。
イ;確か、愛犬の名前はランでしたっけ。
町;そうなんです。目がランランと輝いていたので。
イ;町田さんにしては意外にそのままの名前にしたんですね。では、次の質問に移ります! もし、明日世界が滅びるとしたら町田さんはどうしますか?
町;唐突な質問ですね。……どう過ごすんでしょう。でも、なんか安心するかもしれないです。
イ;なぜ安心なんですか?
町;だって、彼の気持ちが私に傾いたまま死ねるじゃないですか。それに、他の人に移る心配もしなくて良いですし。
イ;結婚なさってすぐなのに、そんなことをお考えなんてすごいです。
町;取り敢えず、私はあの人と一緒に死ねるなら良いだけなんです】

私はそこまで読んで、雑誌をパタンと閉じた。私の隣でベッドに腰掛けて漫画を読んでいた彼は多少驚いたようで、私の方を訝しげに見てきた。

「ねえ、もし明日世界が滅びるとするじゃん。そしたら、どうする?」

私の質問に、彼は顔を歪めた。

「なんでそんなこと考えてんだよ。……でもまあ、一日中お前を抱きしめて過ごすかな」

「そういうもんなの?」

「おう、そういうもんだ」

雑誌を閉じてしまった私は、おそらく彼とは違う考え方だった。



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読んだ本に影響されすぎだ



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