君が居ない世界なんて滅べばいい
「おい」
俺は彼女の肩を掴んだ。しかし、白い服に包まれた彼女は微動だにしない。
「おい」
少し、揺さぶってみた。だが、白いベッドの上に寝かされた彼女は動かなかった。
「おい、起きろって」
激しく揺さぶってみる。白い顔をした彼女は俺が揺さぶるのに合わせて揺れたが、俺が揺さぶるのを止めるのと同時にびくともしなくなった。
「おい、起きて、くれよ」
俺はこんなことを言いながら、本当は分かっていた。何故彼女が動かないかということを。
「頼むから……」
白い服を来て、白いベッドに寝かされた白い顔をした彼女は、やはり動かなかった。