*6 二番目
私はいつだって二番目……
勉強でも運動でも、兄さんに勝った事は1度だって無い…
いえ“兄さんにだけは”勝てなかった。
常に一番で居たいとは勿論思っていません。
けれど…ことある事に兄さんと比べられて、優秀な兄さんが褒められて当たり前の様に私が怒られる…
それが嫌で正直うんざりしていた。
日を重ねるごと、自分に嫌気がさしていく私に対して…貴方は言ってくれましたよね?
『お兄さんがどう言われたって…クロウはクロウでしょう?
皆一人一人違うんだからそのままで良いと思うし、今のクロウが私もクラスのみんなも大好きだから』
“そのままの私”
その言葉に心底救われた気がしました。
そして無理に自分を変えなくても良いと気付いたんです…
兄さんを越える日が来るまでは“二番目の私”で居ましょうか。
それまでは同じ事の繰り返しでもいい、全てが輪になって繋がっているのかもしれません。
だからいつかその日が来たら…その輪を断ち切る勇気を私に下さい。あとがき
今回のイメージはクロウ…
テーマは“越えたい壁、越えられない気持ち”
彼はクラスの中では“一番目”だけれど家に帰れば“二番目”…心に深い闇を抱えているのでその葛藤が短い文章で少しでも伝われば幸いです←
でもそういう気持ちって誰でも有ると思うんですよね、兄弟や両親と比べられたりして。
本当はもっと活躍させてあげたいのですが…女の子キャラ達と一緒になると一人称が同じなので区別がつかなくなりそうです\(^o^)/