A C T .5
‐光 の な い 世 界‐
あのあとの事は正直あまり覚えてない。
ユエは私に気を使うことなく話しかけてくれたけれど…毎日学園に来ていることは少ないから、彼女のいない日はやはり寂しかった。
大好きなお母様にもお父様にも、嫌われている自分が情けなくて…苦しくて何も話せていないから…どんどん殻に閉じこもってしまう…。
そうしているうちに私は、中等部2年へと進学した。
ユエとクラスは離れてしまったけれど…まだ天は見放して無かったのかしら…?
運よく前同じクラスだった人はいなかった。
だけども…一年の時に他の子達までが私を私を変な目いていることに気付いて、もう私の逃げ場はどこにも無いんだと思い知らされてしまう。
そして噂はあっという間に広がっていく事を身に染みたわ…特に、悪い噂というのはね…。
勿論、そういう人達ばかりじゃないって言うのはわかってるつもり。
わかってはいるけれど……
誰かが、小さな声で話してる…たったそれだけのことで…自分の悪口を言われてるんじゃないかってそんな気分に気になるの。
そんなのは、只の被害妄想に過ぎないのかもしれない…。
けれど、信じてた人に裏切られる事の辛さを知ってしまったからには…
そう簡単に自分を元に戻せはしないの。
所詮、人は…グループを作って行動しなければ何も出来ないから…こうして訳もなく集まってしまうのね。
何人か話しかけてくれた子もいたけれど、結局はその子もいじめの対象になるか…いじめる側の人間になってしまうのを何度も見てきたから。
私を助けてくれる人も、手を差し伸べてくれる人も…もうこの学園にいない…
この時から私は……
誰も信じないと心に決めたの。
裏切られるくらいなら、端から付き合いを持たなければ良いとね
そんな時だった、私があの場所へと通い始めたのは………