My+Vitamin (5/5)
*
「…ふわぁ」
気がつくと夕方。
寝たのは確か昼過ぎだから…ちょうど2、3時間経ったくらい。
「え?何今の…」
夢?
…夢オチ?
「っなんだああ〜…」
どうりで甘々すぎるはずだった。
そんなことをぼーっと考えていると、
「んあ、起きたか」
「ん?」
いつの間にか枕元に赤也がいた。
いつもの悪戯っぽい笑顔の、私の弟。
「…赤也いたの?私が寝る時部屋出て行かなかった?」
「あー?その後入ってきただろ。お前も1回起きたじゃん。俺が額に手置いたら、なんかまた寝ちまったけど」
「…えぇ?」
なにそれデジャヴ?
さっきの、夢じゃなかったのか。
熱出てて意識しっかりしてなかったのかな…?
…変なの。
って、じゃあ…
「赤也、私にすっごい優しい言葉かけてくれなかった?"大丈夫だから、俺ここにいるから"…みたいな」
「なっ!…覚えてんのかよ!……あー、言ったんじゃね」
くしゃくしゃと頭をかきながら、照れ臭そうに言う赤也。
…やっぱり夢じゃなかったんだ。
「…んふ」
今気づいた。
「…何笑ってんだよ」
ただ、君が"私の弟"でいて、
「ふふっ!」
「ちょ、おいっ…」
いつも私のそばで見守ってくれてるってことが。
「…べっつにー!」
私に元気をくれる、栄養剤になってるんだってこと。
〜END〜
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