My younger brother | ナノ





My+Vitamin (3/5)
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「ほら、貼るぞ」

「はーい」

「よっ……と」

「ひぃい!ちべたっ!!」

「へへっ、だろ?つめてーだろ」




ついでもらったポカリを飲み、
Tシャツを着替えて(赤也は私が脱ごうとしたら即座に廊下に出た)。

再び彼を部屋に入れてからおでこに冷却シートを貼ってもらった。

さすがに高校生なんだから、
いくら寝込んでいるとはいえ私1人で出来ることばかりだったけど。

なにかと一生懸命世話を焼いてくれる赤也の厚意が嬉しかったので、
少しだけ甘えさせてもらった。




「へへ…ありがと赤也…」

「…別に。今回は特別だからな」




私がベッドで寝ていても目線の高さが合うように、
普段よりも背中を丸めて座っているくせに。
私がお礼を言うとこれでもかというぐらいぷいっと目を逸らす。

もうなんか本当こういうの多いな赤也って…

でも、そういうとこがすき。
君の不器用な優しさはくすぐったくてあったかくて、
いつも私の心にちゃんと染みてくるんだよ。




「ありがと、赤也…」

「…何で2回言ったんだよ」

「…べつにー…」





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