外弁慶 (7/7)
「あーあ……」
「ん?何だよ、何ちょっと落ち込んでんだよ」
「………」
…あの子達、私と赤也のこと、変な方向に捉えてないと良いけど。
「…私達ってさ」
「あん?」
「今時仲良すぎかな?」
「はぁ?」
私の質問に、赤也はすっごく間の抜けた顔をした。
家ではこんなふうに、常に三枚目な感じ。
見た目を褒められたり偉そうに振舞ったりしてるのはたいがい、
外にいるときだけだ。
外弁慶。
「中学生と高校生のキョウダイってさ、普通もっと仲悪いよね?」
「そーかぁ?皆こんなもんじゃね」
「そーかなぁ…」
前に私と同じ2コ下の弟を持つ友達に、
「里奈って本当弟と仲良しだよねー…ちょっとうらやましい」
って言われたことがある。
自分ではそこまで仲良いつもりでもなかったけど、
よく考えたら今まで大きなケンカとかもなかったかなって。
よその家のキョウダイと比べたら確かに良いほうのかも。
お互いを「姉」として「弟」として信頼し合えてる気がするというか…
ってそれはちょっと買い被りすぎ?
…まあ何にせよ。
それがいいに越したことはないし、
「…よし。じゃあここから家まで競争。負けた方は近所のコンビニでアイスおごること。…よーいどん!」
「え、あ、ちょっ…!待てよ里奈!ずりーぞ!」
「ちなみに赤也はハンデでうさぎ跳びね!」
「はぁ!?な…ふざけんなああああ!!!!!」
赤也といて、毎日が楽しいことに代わりはないからいっか。
〜END〜
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