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チェリーチェリー (1/2)
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「やっほー!待ったー?」

「う、ううん…」




本当は待ち合わせの15分前に来てたけどやっぱりあなたはいなくて、待ち合わせ時間ぴったりにももちろんあなたは来なくて連絡もなくて。
仕方がないから近くのスタバで30分くらい時間潰してたら窓からあなたがノロノロ歩いてるのが見えたから、先回りして待ち合わせ場所に着いたらその5秒後ぐらいにあなたが来たんで45分とちょっとだけ待ったかな。
遅いよもうバカ。名前さんのバカ。

…なんて言えない。




「俺も今来たところ…だよ」

「なら良かったぁ」

「……」

「それじゃ長太郎、今日もよろしくねっ!」




…可愛くて甘え上手な女の子によく使う、小悪魔なんて言葉があるけど。
俺の彼女の名前さんは、決してそんな程度で済まされない。




「…任せて、名前さん」




今日のデート内容。
アニメイトととらのあなで名前さんお目当てのアニメグッズと同人誌の買い物を日が暮れるまでして、2人で名前さんの家に帰る。
そして明日の朝にバイバイ。

…つまりお泊まりだ。

正直毎回のようにアニメの買い物に付き合わされるのは困るけど、
今日はその特別イベントがあるから絶対文句言ったりしない。

そう、絶対…




*




「はい、じゃあこれ買ってきて」

「!?」




何てことないかのように彼女がとらのあなのレジ前で渡してきたのは、




「…名前さん?こ、これ…」

「えへ。鳳宍と赤丸と82の成人向け同人誌!こないだの夏コミで血眼になって探したのに見つからなくてガチ泣きしてたらまさか!ここの店舗に!あったのですひゃっ腐ー!!」

「????……って成人向け!?ええっ!?」

「そ。エロエロあーるにじゅー」




にゃひひ、と効果音つきでニヒルに笑ってみせた名前さん。
ただし可愛いのは顔だけで。

今俺に持たせたその本の表紙イラストとこれから俺にさせようとしている行為は、




「私も長太郎もまだハタチじゃないから買えないんだけど、私はこれどうしてもほしいのね。それで、長太郎は18だけど十分大人っぽいしかっこいいでしょ?だから、」




なんていうか…
本当にえげつなかった。




「私の代わりにこのエロ本、オトナのフリして買ってきて?」






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