My loving mates | ナノ





familiar (4/9)
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「…けどユウジはアレやろ。どーせ小春がここに来てるの聞いて便乗しただけやろ。全然親とケンカしたとかちゃうんやろ」

「せやったら何が悪いんじゃコラ」

「うわーアンタのがよっぽど邪魔やわー!あたしらとこの心境共有できひんのに家出ぶってる奴とかマジいらんわーーー!!」

「うっさいわ!大体この歳で家出とかアホ丸出しやんけこっ恥ずかしい!!ほんま中2やわーーキモいわーーーー!!」

「はああああああ!?アンタにあたしの気持ちが分かってたまるかーー!!」




「今日は小春やらテニス部の奴らと学校の寮泊まるから」と両親に告げて、
きっちり外出許可得てきてたユウジは心底嫌なヤツだった。

…んで、そんなんよりもっと絡みたくないと思う人間がここに約1名。




「俺が間違っとるんか?んな訳ないやろ。悪いんはいっつもあいつらや。分かったフリして正論振りかざして大人ぶって、こっちの気も知らんと上から押さえつけるような物言いしよって。ホンマにキモいわえぐいわ吐き気するわ。俺もいつかあいつらみたいにならなあかんのやったらこんな所いたない。大人になんかなりたない、っつーかもうネバーランドに行きたい」

「…ざ……」




四天宝寺の隠れた天才、能ある大鷹財前光。
…等身大の末期中学2年生、真っ盛り。




「どないしたん財前…あの、もう何か…ほんまどないしたん…」




最早上手くかけてやる言葉が見つからなかった。




「麻衣先輩」

「な…なんですか」




その激烈にイケメンで激痛な後輩は、
ノートパソコンをパタンと閉じると突然あたしの名前を呼んだ。

そしてそばに来るとそっとあたしの頬に両手を添え、
液晶の向こうからやってきたどこぞの王子様のように眩しい笑顔でこう言った。




「あそこに見える…月から数えて右から2番目の星に向かって、俺と一緒に飛んで欲しいっす」

「…っ目を覚ませ!!ピーターパンは!フィクションや!!」




いきなりすぎる大胆アプローチに思わずツッコミを5・7・5で詠んでしまった。

そしてその傍らでは暴れ疲れて眠くなってうとうとしてる金ちゃん、
体育座りをして完全にふさぎ込んでいる謙也、
いつのまにかあたしのバッグから(またか)保湿クリームを出して塗りたくっている小春とそれを持てはやすユウジ。

銀に至っては部屋のど真ん中で座禅組んでた。
みんな自由すぎ。
…あ、そういえば甘いもん食べたい。

そんな時だった。





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