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同属嫌悪 (4/4)
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顔を上げたそいつは、なぜだかよく分からないけど怒って見えた。
深い紫がかった目がうっすら赤く燃えてる気がする。

ふざけんな。
怒りたいのはこっちだ。
何であたしがあんたなんかに嫌われなきゃ…





「いつでも周り見下してバカにして、あたしだけが綺麗よって顔ですまして」

「な…?」

「暇潰しみたいに余裕こいて男取っ替え引っ替えしてっけど、本当は人に構って貰えないのが怖ぇただの寂しがり」





頭の神経が真っ白になった。
待って待って、やめて、ねぇ。





「めちゃくちゃモテて何十人にも告られんのに、振ったらさっきみたいに途端に嫌われんのもそのせいだろぃ。…お前、自分が1番特別だと思ってるから、」





ねぇ、ねぇ、聞いて。





「自分に釣り合わない男はプライド傷付けてこっぴどく振るの楽しんでんだ」





ねぇ、ねぇ、

死ねば?





「…あんたにあたしの何が分かんのよ?」

「何が分かるかって?まだ聞くかそんなこと。今言ったことが少なくとも俺が分かるお前の全てだけど?お前散々図星ですって顔したじゃん」

「!!」





心臓がドキドキいいだした。

何だ、こいつ。
こいつはあたしの何なんだ。





「お前、俺のこと自分が可愛いナルシストとか、他の男と同じようにプライド高いだけのバカだとか思ってんだろ?」





そう言うと噛んでたガムを銀紙に出してポケットにしまい、
丸井はあたしの1番嫌いな顔をしてみせた。

…つまりとびっきり奇麗な笑顔で、





「…けど残念だったな。それ、そのまんまお前もだから」





それから突然近づいて、あたしの口を自分の口で塞いだ。





「……っ!!」





一瞬だけ触れてすぐ離す。
そして顔を近づけたまま、小声で囁いた。





「似た者同士、一緒に傷の舐め合いしようぜ玲奈?…俺のこと、本当は嫌いじゃねーんだろぃ?」



俺のこと、嫌いじゃねーんだろ。

何、あんたもそれ?
この手の口説き文句流行ってんの?





「…自惚れないで。あんたなんか大っ嫌い」

「あっそ…可愛くねー女」

「知ってる」





そうして再び重なった唇と唇は、





「……んん…」





もう2度とお互いを離さなかった。





〜END〜






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