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同属嫌悪 (2/4)
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「何でこんな時にあんたが出てくんのよ…」





そいつは、あたしがこの世で1番嫌いな人間。





「お、お前…テニス部の…!」





同じクラスの丸井ブン太だった。





「よっ、三橋。それとお前、誰だっけ?確かバスケ部の…ま、誰でもいっか」





丸井はくちゃくちゃ呑気にガムを噛みながら、
そう言ってポケットからケータイを取り出した。

そして呆気にとられている男と俯いているあたしにそのカメラ部分を向けて、





「はい、チーズ」





1枚撮った。





「はっ!?お前…何やってんだよ!!」

「……」

「や、何って…こーゆーの"ゴウカン"っつーの?…の、証拠写真。今からコレ、生活指導部のパソコンに送信すっから」

「…!?ってめ…ふざけんな!消せよ!!」





男があたしの上から降りて丸井に掴みかかる。

あー重かった。

丸井は器用にそれをよけながら、ケータイの決定ボタンを押す。





「…はい、送信完了〜。ご愁傷様」

「ちょ、マジかよ…有り得ねぇ!」





男は崩れ落ちてがくんと膝をついた。

あ。
こいつの名前思い出したぞ。
確か、バスケ部幽霊部員の谷口だ。





「ああ。お前、マジで有り得ねーわ。詳しいことは俺も知らねーが、どうせフラれた腹いせに無理矢理押し倒したってとこだろぃ?本当カスだな。死ねば?」

「くっ…!」





丸井それあたしさっき言ったって。
決め台詞カブってるって。

嫌悪感でいっぱいになったけど、
谷口的にはあたしたちの"死ねば?"のダブルコンボが効いたらしく。





「くっそ…三橋!覚えてろよ!お前が援交でやりまくってるって学校中に言いふらしてやるからな!俺を振ったこと、絶対後悔させてやるっ!!」





哀れすぎる捨て台詞を吐いて去っていった。





「ご勝手に」

「え、何お前…援交ってマジ?」

「だったら文句あんの?あんたも1回ヤってみる?」

「…いや、遠慮しとく」





神妙な顔で断られた。

援交なんかしてねーよバーカ。






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