同属嫌悪 (1/4)
「なぁ、玲奈」
「何」
「…お前さ、俺のことどう思ってる?」
「は」
「だからさ…俺のこと。お前、ちょっとは気になってんだろ?」
「は?」
「俺もそう。お前のことまあまあ気に入ってんだよね。見た目もそんなに悪くないし…つかむしろタイプ。…だからさ、俺と付き合ってくんね?」
「は?」
バカバカしすぎて、開いた口が閉まらない。
「は?って何だよ。感じ悪ぃなお前…で、俺と付き合う気あるn」
「死ねば?」
「なっ…」
ハイ、お終い。
今日も1日お疲れさまでした。
自意識過剰も一線越えると笑えないその男をその場に取り残し、
あたしは踵を返して歩いていった。
「おい…っ!待てよ三橋!ふざけんな!ちょっと男にモテるからって、こっちがシタ手に出たら調子乗りやがって…!!」
どの辺がシタ手だよと問いたかったけど。
案の定逆ギレしたそいつは、
後ろから襲い掛かってきてあたしを突然押し倒した。
ハタから見ると、うつぶせのあたしの上に男が馬乗りになった状態である。
少し起き上がろうと抵抗してみたけどびくともしない。
…さて、どうしよう。
と思ったその時、
「あっれー…こんなとこで何やってんのお前ら。中坊の修羅場…にしては激しすぎるだろぃ」
頭上に不快極まりない、気の抜けたあいつの声が降ってきた。
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