My boyfriends or My loving mates | ナノ





ブラックハッピーバースデイ (2/5)
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「いらっしゃいませ!何名様でしょうか?」

「…9人です」





入ってすぐ、真田が敬語を使ったのに皆でびっくりした。
あと"きゅうにん"ではなく"くにん"と言ったところに真田らしさを感じて皆で納得した。





「うわあー!私ここすごい久しぶり!あっ、ワンピースキャンペーンやってるー!!」

「デザートが超安いのが得だよなー、回転寿司って」

「結構混んでるな…席空いとるか?」

「テーブル席!俺絶対テーブル席がいいっス!ガチャガチャやってチョッパーのおまけ欲しい!!」

「…どうせお前はそんなことだろうと思ったぜ」

「お前たち、店内ではもう少し静かにできないか」

「そうです、他の人に迷惑ですよ」

「でもまあ賑やかで楽しいよ」





客観的に見たら、私たちは一体どういう構成だと思われてたんだろう。

赤也同様子供みたいにはしゃぎながらも、
この団体が明らかに他の客の視線を引いていることは少なからず把握した。





「花凜先輩やったテーブル席っス!ガチャガチャ!早く座りましょ!!」

「おおっ、ラッキー!」





好物の寿司を食べれる上にお望みの席を確保できて、
テンション最高潮の赤也が私の手を掴んで引っ張る。

続いて後ろから、





「こら!大声を出すな!!」





おそらく今日は徹底的に父親役であろう真田の、
赤也以上の大声が響いた。





「…お前のがうるせーだろぃ」

「で、では…ごゆっくりどうぞ…」





席まで案内してくれた店員のお姉さんの顔が、
引きつって見えたのは私だけじゃなかったはず。






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