My boyfriends or My loving mates | ナノ





女子力談義 (2/2)
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「何それ…物理的な意味?そりゃ俺も無理だわ」

「違う。そんなオペチックな意味じゃなく!」

「…じゃ何だよ」

「私の料理力をもってして男をトリコにするのは不可能って意味。…料理だけに、トリコ」

「っあぁー!……って上手くねーんだよバーカ!」





ここで初めてブン太が納得した顔をしたのにムカついた。
あと、ほんの遊び心の可愛いオヤジギャグを本気でバッシングしてきたのに傷ついた。






「確かにな、花凜そーゆうの出来なさそうな顔だわ」

「失礼千万!…でも、本当にそうなの。得意料理はカップラーメンとおにぎり」

「うっわそれ酷ぇな!しかもどっちも料理じゃねぇ」

「分かってるってば!…まぁつまり、もし彼氏が出来ても飽きられたら引き止める手段がないってこと。胃袋掴めないから。困ったわー」

「いやー他にもあるだろぃ」

「何?例えば」

「んー例えばこう」





そこで一呼吸置いた彼。
何やらいいこと言うのかしらなんて思ってたら、





「…なんていうかその、お前の"夜の天才的妙技"みたいなものにハマって抜け出せなくなる男とかさ。出て来るんじゃねーの」





そこはかとなく自虐ネタだった。
その隠喩表現。





「妄想乙。とりあえず具体例を挙げさせた私が悪かった」





そろそろ帰るか。





「じゃ、話聞いてくれてありがとう全然助からなかった。やっぱり私主夫と結婚するね。バイバイブン太」

「…ちょ!ちょっと待て!ならいい考えがある!!」

「何」





呆れきって部室を出ようとドアノブに手をかけたまま、
呼び止められて振り返る。

と。





「俺が主夫になる。将来俺と結婚しろ」

「は」

「…名案、だろぃ?」





ネタみたいにシリアスな顔をした、赤髪の美少年がそこにいた。





「………」





私はなんて答えようか迷ったけど、
軽く笑ってこう言うことにした。





「…テニスで稼ごうとかちょっとは思って欲しいな」





あいにく私はまだ中学生。

先の見えない将来なんかより、
テニスを目一杯楽しんで夢を追いかける君を見てられる今の方が。

本当はずっとずっと、大事だと思ってる。





〜END〜






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