Nya Oh! (3/3)
「…何スか」
「…おまんはそのブン太の告白に何て答えたんじゃ?」
そう言って面白そうに笑った、その顔がすごく近かった。
照れた。
あと比喩ではなく全体重をかけて本当に"覆いかぶさられ"ているので超重い。
超痛い。
「仁王さん私圧死しちゃう…おえ」
「おー、それは大変。なら死ぬ前に答えんしゃい」
…怖。
「え、えっと…」
俺が主夫になる。
将来俺と結婚しろ。
って言われたので、
「…テニスで稼ごうとかちょっとは思ってほしいなって言いました」
「ふーん…」
私のわずか2cm前にいる彼はそれを聞いて、
何に納得したのかもっともらしい顔で頷いた。
そして、
「ぎゃっ」
私の背中に手を回してぐるりと1回転した。
つまりさっきと立場が逆転して、今度は仁王が私の下敷き。
私はその体勢になった瞬間を見計らって、速やかに彼から離れた。
「…眠い時の仁王エロい。怖い。あとエロい」
何されたか分かったもんじゃなかった。
将来、酔って寝ぼけた勢いで女の人に襲い掛かって、
訴えられることがないといいけど。
私が警戒してそう言うと、ちょっと拗ねたみたいに口を尖らせる。
「…なーに、そんなにビビることなか。ちょっとからかっただけじゃき」
「………」
のろのろ立ち上がり、きゅうっと伸びて大きなあくびをした仁王。
「さて、そろそろ昼休みが終わるな…教室戻るか」
「…あ、うん…」
結局何だったんだ今のは…
と溜息をついて気を抜いたその一瞬後。
「隙アリ」
「!?」
こっちに向かって歩いてきていた仁王が私の目の前で立ち止まり、
突然かがみ込んで私の唇にキスをした。
……!?
「…うわあああああ!!!」
コンマ0.1秒後に状況を把握して絶叫した私を嘲るように、
「油断してたら色んなもの盗られるぜよー…花凜チャン」
奴は舌なめずりをしてにや(Nya)っと笑った。
か…
返せ私の唇ううう!!!
〜END〜
[ 5/33 ]
[
*prev] [
next#]