Nya Oh! (2/3)
「仁王、なんか怒ってる?今日やたら私に冷たいよ」
「別にー」
「…ほんとー?」
気分屋なのにあんまり表情変えないから、
いっつも何考えてるか分かんない。
気位が高くて気まぐれで笑わないところが、猫にそっくりだ。
「ねぇねぇ仁王、"にゃおう"って名前どう思う?」
「は?」
「可愛くない?"にゃおうまさはる"」
「…下らんぜよ。つーか俺、寝る。花凜うるさいから邪魔ナリ。あっちいけ」
私が今上ってきた非常階段を指差された。
「えーやだ。私も今寝っ転がっちゃったもん。起き上がるのめんどくさーい」
「いいから出てけー」
「わー」
仁王はくるりとこっちに寝返りを打ち直して、
仰向けでブッ倒れている私をぐいっと押して遠ざけた。
私は押された反動で向こうに転がる。
ごろごろごろ。
それを見て、ちょっと笑う彼の声がした。
どうやら怒っているわけじゃないみたい。
私はそのだらけた体勢のまま話を始めた。
「私ね、今"女子力研究"してるの」
「へー」
「こないだはブン太と、"料理ができない私はなにでその女子力を補うか"っていう議題で語った」
「ほぉー。で、どうなったんじゃその結論は」
「…下ネタ」
「なるほど。バカじゃなーブン太。…花凜、どさくさに紛れてプロポーズされたじゃろ」
「え」
なぜそれを、と聞こうとしたら、
「ぐえっ」
仁王が急にどさっ、と私の上に覆いかぶさってきた。
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