●雑魚忍者2「じゃあまず各自にできること、得意な事を言おう。」
「ハツ君なんかある?」
「俺ケッケーゲンカイ持ってる。」
「「は?」」
ハツ君の言葉に、私とコウキ君は間抜けな声を出してしまった。
「え、ハツ君血継限界?どんな?」
「髪の毛?」
「髪?」
聞けばハツ君の神代一族は、髪の毛を自在に操れるんだとか。
毎日髪型変わってたのそれでかよ。
「ただのチャラ男だと思ってた。」
「ひどい。」
「ていうか使い道あるのそれ。」
「知らん。今の所貞子ごっこに便利ってことしか。」
「使えねー。」
私達の言葉にハツ君はムッとすると、じゃあお前はどうなんだよ!とコウキ君をど突いた。
「僕?僕も一族に伝わるそういうのあるよ。」
「あんのかよ!」
「どんな?」
「肌の色が変わる。カメレオン的な。」
「「は?」」
肌の色が変わる?ってことは擬態するみたいな?
「そうそう。ただし色が変わるのは皮膚だけだから、術を使う時は全裸にならないと意味ないんだよね。」
「最悪だ。」
「使えねー。」
全裸って。忍者が全裸って。
「まぁ、仕方ない。作戦を立てよう。」
「だな。」
「待て。私はどうした。」
私を抜かして話を進めようとする二人にストップをかければ、男子達は明らかにキョトンとした顔で私を見た。
「ごめん。#名前1#ちゃんも血継限界とかあった?」
「いやないけど。てゆうか血継限界とかそうそうあるもんじゃないでしょ。」
「何?#名前1#なんかできんの?」
「ないけどさ!ないけど一応聞いてくれたっていいじゃん!」
うわーん、と泣き真似をするとコウキ君が焦って私の背中をさすってくれる。
「ハツ!泣かすなよお前最低だな!」
「俺のせいかよ!ふざけんな!」
「#名前1#ちゃん、#名前1#ちゃんにはいいところが沢山あるから大丈夫だよ。泣かないで。」
「自分だけ良い奴ぶってんじゃねーよ!この全裸忍者!」
「全裸の何が悪い!」
小声で喧嘩する二人を横目に、私は地面を這う蟻を眺めていた。
もうこの班嫌だ。
←:→