「じゃあまず、あの5人から聞いてみようか?」



苗木君が私を振り返ってそう問い掛けてくる。うん、超良い子。私は軽く頷くと、苗木君と一緒に生徒達に話し掛けにいった。とは言っても、基本的には苗木君が話し掛けて、私はすぐ隣で耳を傾けているだけってカンジだ。


一人一人顔と名前を覚えていく。


白い学ランの男子は『超高校級の風紀委員』石丸清多夏君。真面目で熱血なカンジが滲み出ている。


三つ編みおさげのネガティブ少女は『超高校級の文学少女』である腐川冬子ちゃん。彼女の小説は私も読んだことがあってちょっと感動。


オタクっぽい男子、って思ったら本当に『超高校級の同人作家』だった山田一二三君。苗木君を変な世界に引きずり込みそうで怖かった。


オレンジ色の髪のチャラ男は『超高校級の野球選手』の桑田怜恩君。テレビや新聞で見る彼の写真はかっこよかったのに、野球が好きじゃないとカミングアウトされて少しショックだった。


黒髪美少女はどこかでみたことあると思っていたけどあの舞園さやかだった。確かに彼女は超人気グループのセンターだし、『超高校級のアイドル』として入学してるのも頷ける。


「エスパーなんです。」


「…は?」



急な電波発言にも驚いたけれど、もっとびっくりしたのは彼女が苗木君に「後でね」と言っていたこと。まぁ、石丸君に邪魔されたっていうのもあるけど、ちょっとフラグ建ってんじゃないですか?苗木君。



「…ボクの顔に何かついてる?」


「ううん、別に。苗木君イケメンだね」


「…は…、えっ…?」


「ほら、次行こうか」


「う、うん?」



苗木君ってちょっと馬鹿かもしれない。










 






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