「曉さん。君には『超高校級の保健委員』としてこの希望ヶ峰学園に転入してほしい」


「超高校級の…保健委員?」



目の前に座った男性の言葉がよく分からないまま聞き返すと、彼は「ああ」と言って頷いた。何が「ああ」なのか良く分からない。なんせ私は保健委員ではあるけれど、『超高校級』なんて称号が付く程それを極めているわけじゃないのだから。



「幸いなことに、」



彼、―――…希望ヶ峰学園の学園長は私を見つめながら口を開く。



「君は『超高校級』とまではいかなくても、それなりに高いスキルを身に付けている。それに…」



それに、何なのかは分からなかった。急に脳味噌に靄がかかるような錯覚に陥ったからだ。鈍い頭痛と耳鳴り。学園長が何かを喋っているのは分かるのに、何を言っているのかが殆ど分からない。それに対して私自身の口も勝手に動いて返事をしているのに、それも分からない。やがて視界が歪み始める。ゆっくりと、目の前の色彩が融解していく。グルグルグルグルグルグルと混ざっていき、



「最後に一つだけ質問だ。君はこの学園で―――……」




やがて真っ暗になった。















  






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テーマ「人外ファンタジー」
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