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次の日の朝、拓真が目を覚ますと黄色い毛布がかけられていた。部屋を見渡してみたが明美の姿はない。ソファから起き上がって明美の部屋の扉をノックしてみたが返事は無い。扉を開けてみようと扉に手をかけたがいや、まずいだろうと思い直し玄関の靴を見て明美がまだ部屋で寝ている事を確認した。おそらく一度起きたときに毛布をかけてまた寝たのだろう。
今日は休日だが、きっともうそろそろ起きる時間だろうと思い、拓真は台所に立った。


目が覚めるといつも起きる時間より一時間ほど遅かった。今日は休日だしいいかな、とも思ったけど今日は久々に志保と会う予定だったと思い出し何を寝ぼけているんだと内心自分を叱咤した。
昼ごはんを一緒に食べる予定だから時間は十分にあるといえばあるが余裕を持つに越したことは無い。朝食を食べようと部屋から出ると、「おはよう。朝ごはん出来てるよ」とにこやかに笑う拓真がいた。

昨日のうちに乾燥機にかけられた服のうえに明美のエプロンを着けた拓真はテーブルの上に朝食を並べている。体の大きな拓真がエプロンをつけている姿は若干の違和感があるはずなのだが、嬉々として料理を並べる姿はなんというか、ラブラドールのような大型犬を見ているような微笑ましい気分になった。こういう所が可愛がられているんだろう。

お互いに向かい会って朝食をたべた。誰かと朝食を食べるのは久しぶりだなあと思いながら卵焼きを食べる。出汁の味がふんわりを広がって炊き立てのご飯に良く合い、長葱に豆腐とわかめの入った味噌汁も美味しかった。

「拓真くん料理上手ね」
「そうかな?」
「うん。おいしい」

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