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03
ホテルに着いてから制服のままで良かったのかと気になったが今更考えても仕方がないと割り切りそのまま部屋に向かう。

ノックをするとウォッカが出て来て「こっちだ」と、奥の部屋に連れていかれ、部屋に入ると煙草を吸っているジンにギロリと睨まれる。


「…学校にいるときにかけないでくれない?」

迫力に飲み込まれそうになるのを堪えて軽口を叩くとジンは鼻でわらって灰皿に吸った煙草を擦りつける。

「お前が真面目に学校に行く奴だったら気を付けてただろうよ」

「酷いなあ、俺は改心したのー」


確かに俺が中学生のときに学校に行くのは部活をするためだけで、昼間は学校を抜け出して組織の方にいたことも結構あったけど今は至って真面目な男子高校生だ。


「はっ」

「で、なにすんの?」


ジンが俺を呼んだってことは仕事なんだろうと今回の内容を聞く。


「取引だ。」

「取引?俺やったこと無いけど」

「話はもう着いている。後は金を受け取るだけだ」


ジンの話によると拳銃の密輸をしていたある会社の社長から金を受け取るのが日曜日のトロピカルランドらしい。

大方の説明を受けながら冷蔵庫からコーラを出してすでに出ていたジンで割る。
それ飲みながら持って行くモノを考えていたらウォッカが注意したそうにこっちを見たけど無視だ。
大胆俺が酒を飲んでいて文句を言う奴はウォッカ位だ。ジンは何も言わないし、カルバトスやキャンティは飲ませようとする程なのにウォッカは真面目と言うか何と言うかまるで保護者だ。

…そういえば、金の取引ってことはいくら貰うつもりなのか知らないけど、臨時給料って入ったりしないのか?そしたらAKが欲しいな…。
てゆーか、銃の密輸してたなら社長さんが持ってるかもしれないな。貰えたりしないか?

「なあウォッカ、銃って何?」

「写真あるぞ」

「まじで!?」

「ほらよ」

そう言って現像した密輸現場の写真を俺に渡す。

「ちぇ、レミントンか」


ウォッカが口にしたメーカーは期待外れで諦めるしかなさそうだ。

「レミントンはいらねえのか?」

「いや、欲しいけどレミントンはカルバトスに貰うことにしてるからいらね」


本当はめちゃくちゃ欲しいけどね。でもそのうちにカルバトスから無理矢理でも貰うって決めているせいか他でゲットする気にならないんだよな

…それ以前にそんな足のつく所から銃を仕入れるなんて出来ないか、と気が付いたらジンが呆れた目で俺達をみていた。


そのあと何処で落ち合うかとか最終確認をして、ウォッカに三人で入れば早いだろとか言われたけど何が悲しくて男だけの集まりで遊園地に行かなきゃ行けないんだ。
最終的にジン達はジェットコースターで上から一人で来たか確認、俺は地上から怪しい動きが無いか監視することになった。

話が終わるとジン達は帰るらしい。俺は今ここで出来る準備は済ませておこうと、片付けは俺がしとくと言ってキーを預かる。

ここはジンが別件の為に使った部屋らしいけど今まで仕事の為にホテルなんか使ったことの無い俺にはどういう使い方をしたのか検討も付かない。

誰も眠ったことの無いように綺麗なベッドの上に寝転ぶとスプリングの軋んだ音がした。










寝転んだまま志保さんにメールを打つ。


"今度トロピカルランドに行くことになったんだけど土産に何か欲しいものある?"


返事が来るなんて思っていなかったが最近志保さんと会っていないのを思い出して取り敢えずメールを送ることにした。
すると思っていたよりも早く来た返事にメールを開くと簡潔に"いらない。彼女にでもあげたら?"と書いてあって乾いた笑いがこぼれる。

まあトロピカルランドなんていつでも行ける距離だし、志保さんはお土産とか欲しがらないって分かってはいたがまさかここまでストレートにくるとは…
だからといって得に落ち込んだりはしないのはもうずっとこんな調子で7年はこの関係が続いているからだ。


"俺今彼女いないんだからそんなこと言うなって。せっかくだから明美さんとお揃いのものでも買ってきてやるよ"


どうせ毛利先輩はそのうち工藤新一と行くんだろうし、てゆーか土産渡すような関係でもないしな。

メールを返したら返事が来ないことは分かっているので携帯を放り出してパソコンを開いた。

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