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02
「蘭じゃねーか。こんな所で何してんだ?」

「新一!何してんだってあんたを待ってたんでしょ!」


もしかして俺が付け入るチャンスもあるんじゃないか?と、そんな気もない癖に考えていたら登場した工藤新一と毛利先輩を見ているとやっぱり幼なじみってこともあって俺と話してる時とはなんか雰囲気が違うなと二人を見ていると工藤新一が俺の方を見て「で、こいつ誰?」と言う。

その少し睨むような疑いの眼差しにああ付き合う少し前ってやつか、と納得する。


「はじめまして。俺、一年の北条拓真って言います。工藤新一さんですよね?」

「そうだけど」

「今日のニュース見ました。凄いですね。さすが高校生探偵の工藤さんです」

「そうか?」


少し得意げな顔になって俺に聞く工藤新一に毛利先輩が言葉を挟む。


「北条くん買い被りすぎよ。こいつただの推理オタクなだけなんだから」

「推理オタクってなんだよ」

「だってそうでしょ?いっつもホームズが、ホームズは、とかばっかり言ってるじゃない」

「ばっかりって、ホームズはな…」
ここで切らないと話が長くなりそうな気がして工藤新一の話を遮る。

「ええっと、毛利先輩が待っていた幼なじみって工藤先輩のこと何ですか?」

「う、うん。そうだよ」

「俺、毛利先輩と工藤先輩って付き合ってるのかと思ってました」

「えっ!な、何言ってるの北条くん!し、新一とはそんなんじゃないわよ!」


うん、俺も何言ってんだろって思う。あーでも毛利先輩の顔真っ赤だし。工藤新一のことが好きなんだろうな。

てゆーか、顔の赤い毛利先輩って初めて見たけど可愛いなとか思っていると携帯が鳴った。携帯を見るとジンからで驚いた。思わず切りたくなったけど、そんなことをしたら後からどうなるか考えただけでもやばそうなので毛利先輩と工藤新一に別れを告げて電話に出る。


「あ、もしもし黒澤さん?」


今日は休みの筈なのに何なんだよと思いながら話を聞く。

「…スティンガー、今から米花シティホテルまで何分だ?」


電話に出て歩きだした後も視線を感じて振り返るとまだ毛利先輩と工藤新一がこちらを見ていたので軽く頭を下げると毛利先輩が微笑みながら手を振り返してくれた。それを見た工藤新一からは軽く睨まれたけどそんなことはまるで気に掛からない程テンションが上がった。


「え、下校中ですけど今からですか?」

「ならそのまま今すぐ来い。1205だ」

「うぃーっす」

「………」


しまった。上がったテンションまま変な返事の仕方した。黙ったまま切られたけど怒ってない、よな…

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