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放課後の昇降口で靴を履きながら今日は何もなかったよな、と頭の中で今週の予定を呼び起こす。携帯を確認すれば良いのだろうけど、組織から貰った携帯をここで出すのは物騒だ。もう一度頭の中を洗い出してやっぱり今日は予定が無いと久しぶりの休日に顔には出さないがテンションが上がる。これから何をしようか、久しぶりにゲーセンにでも行くかと考えていたら校門の前に毛利先輩が立っていた。


「あれ、毛利先輩じゃないですか」

「あ、北条くん」

「こんにちは。誰か待ってるんですか?」

「うん、幼なじみをね」


久しぶりの休みに毛利先輩に会えるとか、俺占いって信じないけど今日の占いを見たら絶対一位だ。確信できる。


「そうなんですか。まだ暫くかかるなら来るまで話しません?」

「そうね。あいつ、いつ来るか分かんないし」

「?、待ち合わせしている訳じゃないんですか?」

「いつもは部活があるから一緒に帰ることないんだけど今日は武道場使えないから」


誰か友人を待っているらしい毛利先輩は周りを見渡しながらそう言った。
武道場が使えないと言うのは今日は武道場のワックス掛けがあるからで、俺の部活が無いのもこれがあるからだ。空手部とか柔道部には関係ない気もするけど、業者に頼んでやるから武道場を空にしたいらしい。


「まあ、大会終わりで調度良かったんじゃないですか?あ、そうだ。都大会優勝おめでとうございました」

「え、覚えててくれたの?ありがとう!」

「覚えててって学校の全員が知ってる話じゃないですか。それに俺、応援するっていってたし、」

「もしかして北条くん、本当に応援に来てくれたの?」


毛利先輩が驚いた顔をして俺を見る。そりゃあどう考えたってこの間のは社交辞令だから本当に行ったとは思って無かったのだろう。
てゆーか好きな人の試合の応援に行くってどこの少女漫画だよ。いや、普通に野球漫画でもあるか。好きな男の試合を見に行く女子…って今気付いたけど俺って完全にポジションが女じゃないか。うわ、俺いつからこんな思考回路が女みたいになってたんだ…?


「あ、いや元々男子の方のマネージャーに荷物持ち頼まれてたんですよ。だから、はい」


これは本当だ。おまえなら持てるだろ、とか言われてでっかいクーラーボックス持たされた。良く考えたら俺じゃなくても良かっただろうに。
まあ、そのあとの焼肉は旨かったし良しとするか。


「そうだったの!?声かけてくれれば良かったのに」

「いやあ、荷物持ちで精一杯で」

「それにしても北条くんだってお祝いしてくれるのに新一ってばすっかり忘れてるんだから」

「新一って工藤先輩ですよね?」


工藤新一、先輩の話だと幼なじみで今は付き合ってるって言う高校生探偵だ。
去年迄はサッカー部のエースだったらしいけど、今年に入って急に辞めたからサッカー部に入ったクラスメートが相当驚いていた。


「そう、都大会で優勝したらトロピカルランドに連れてってくれる約束だったのに新一ったら全然覚えてないのよ。もう」

「トロピカルランドですか?」

「そう。だから今日は新一に思い出させる為にこうやって待ち伏せしてるんだけど…」


それってデート、だよな?そりゃ、毛利先輩と工藤新一が付き合ってるんだからデートもするか。
ん、でも今待ってるのって幼なじみって言って無かったか?もしかして付き合って無いとか…?



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