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「なーあ、」
拳銃を諦めたのは良いけどそしたら只でさえ待ちくたびれていたのが更に暇になって退屈でしょうがなかった俺はずっと本を読んでいる女の子に話かけ始めた。

「なー、名前なんて言うの?」
「名前を聞くときは自分から言うものよ」
「おれは北条拓真!」
「……宮野志保」
「しほ?」
「私の方が年上なのに呼び捨てするの?」
「…しほちゃん?」
「志保さんでしょ」
「ふーん。しほさんか」

志保さんは自分のほうが年上なのだからさん付けしろと言った後はまた本を読みだしたけどそれだけで俺の退屈が消えるわけが無いので俺は本を読んでいる志保さんに話しかけ続けた。

「しほさんって何歳?」
「…10才」
「へー。おれは8才」

「しほさん何読んでんの?」
「本」
「それ位分かるって。何て書いてあんの?」
「The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde」
「え?」
「ジキルとハイド」
「すっげー!今の英語?」
「そうだけど」
「しほさん英語できんの?」
「普段はアメリカに住んでいるから」
「かっけー!!じゃあさ、これ何て書いてあるの?」

その後も俺は父親が迎えに来るまで志保さんに話し掛け続けていた。


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