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02
そんな馬鹿な父親でも親子関係は良好だ。
元々、子供好きな優しい人だと言われている父親だ。長男も成人して自然と距離が出来た後に生まれた子供を可愛がらない訳が無い。
俺がガキの頃なんかは数少ない休みの日に映画や動物園といった色々な所に頻繁に連れて行ってくれて俺はその中でも遊園地が気に入っていた。
その中でも毎回乗っていたのは乗り物に乗ってモンスターを銃で撃つアトラクションだ。毎回驚く程のハイスコアを出す父親は正に俺のヒーローだった。そして俺はそんな父親に憧れて玩具の銃を買って貰った日には四六時中飽きることなく遊んでいた。

ある休日も俺は父に手を引かれて出掛けていた。いつもの様に遊びに行くのかと思っていたけど連れて行かれたのは父親の仕事仲間に会う為だった。たまにパーティーで会う人達とは別の人達で俺は少し怖がっていたが唯一会ったことのあった桝山のおじさんに一つの部屋に連れていかれた。その部屋には玩具やゲームがたくさんあって「好きなだけ遊んでいいからこの部屋で留守番しているんだよ」といわれてそれはもう上機嫌で留守番していた。
その部屋で最初に目に付いたのは一つの拳銃のレプリカだった。
父親と見たスパイ映画に出て来たそれと同じ形のそれに興味を引かれて手に取った。
「おも…」
それは俺が持っていた玩具のでかい銃よりもずっと重くて驚いたけどその重さがまた幾つものピンチの中を走り抜ける男が持つ武器だということを感じさせて俺はそのレプリカを夢中になって弄っていた。


二時間ぐらいたった辺りだろうか、子どもの体感時間だから実際はもっと短かったかもしれないけど兎に角子ども一人じゃ流石に待ちくたびれる程の時間が経った時ようやく扉が開いたので父が帰って来たのかと思い振り向くと其処には少し年上くらいの女の子が居た。
どうして此処に来たのだろうかと考えているうちに女の子が急に怒りだした。
「あなたっ!何持っているの!?危ないじゃない!」
「え?これおもちゃ…」
「ここにはね、本物のピストルも置いてあるの!!だから触っちゃだめ」
「えーじゃあ何で遊べばいいわけ?」
「とにかく他の物にしなさい」
「えー」
本当はもっと遊んでいたかったけど、その子がまた怒ったら怖いのでその拳銃を放り投げた。


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