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03
「そういえばさ、毛利って工藤と付き合ってね?」



・・・・・・なんですと?
えー、さっき居ないって言ってたじゃないっすか。

「工藤と毛利って只の幼馴染って言ってたぞ」

「誰が?」

「本人が」

「いや、それ隠れて付き合ってる可能性もある」


ちょっとちょっとちょっと、急になんですか?
なんでそんな急に落ち込ませるンすか。てゆうか俺のこと忘れてません?


「え、工藤って工藤新一ですか?高校生探偵の?」

「そうそう。サッカー部のエースしてる」

「そういやあいつ、学校にファンレター届いてたぜ」

「何それ?何の漫画だって」

なんだその超ハイスペック男。
工藤新一って俺でも知ってる有名人じゃん。この学校だったのか。
しかもイケメンで頭いいだけじゃなくて、サッカー部のエースって・・・

「あいつの親父って推理小説家の工藤優作だよな。しかも母親は元女優らしい」

「だから何の漫画だって」

本当、強すぎるだろ工藤新一。
ダメだ。心折れる。

「残念だったな北条!毛利さん彼氏いるって」

「「あ、」」

わざわざ何故だか嬉しそうに俺に報告する(実は俺のこと嫌いなのか?)悪魔の言葉に「しまった」って顔をする先輩達。
・・・・・・先輩、本当に俺のこと忘れてたんすね。

「ま、まあチャンス無いわけじゃないからさ」

「そうだぞ、お前だってそこそこモテそうだからいけるかもしんねえじゃん」


無いわけじゃないとか、かもしれないって・・・。それ無理っぽいと同じ意味に聞こえるんですけど。

すると先輩達には俺が完全に凹んでるように見えたらしく顔を見合わせた。


「頑張れよ。よし、かわいい後輩だ応援してやる!」

「本当に付き合ってんのか聞いといてやる」

「毛利にメアド教えてもいいか聞いてやるよ」


・・・・やばい。初めて先輩達に感謝してる。
正直にいうとさっきの胸のくだりから屑だと思ってました。ごめんなさい。

俺、先輩達に付いて行きます!





そんな日常
(馬鹿騒ぎは俺達の専売特許)



__________
あとがき

学校では極普通の男子高校生な拓真でした。
拓真は現時点では好きっていう自覚より、蘭のことをどこか神聖視してるところがあります。

オマケ→
別に笠原は北条のこと嫌いじゃないですよ

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