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年代物のベッドに横たわれば、ぼふっと音を立てて体が沈む。
はじめてこうした時はもっと埃っぽさがあったけど私がこの部屋に入る様になってからはクリーチャーが念入りに掃除をしてくれているのでそうでもない。
クディッチの道具、教科書、参考書。
お父様はあまり物を置かない主義だったのだろう。ものは少ない。
それでも天井を見ると星が輝いていたり、壁にパズルが立てかけられている。
パズルの中の海にはカモメが飛んでいたりクジラが泳いでいたりいつも違う。きっといろいろな場所の海なのだろう。
ベットに横たわりながら考えることは様々だ。成績のこと、友達のこと、将来のこと。
枕から微かにする知らない匂いはきっとお父様のもの。
この部屋で何を考えていたのだろうか。
何を感じて
何を思って
何を考えて
何に迷って
何に、
一生分からないことばかりを求めてはどうしようもない感情に支配されるくせに私は何かある度にこの部屋に来つづける。
何年も通い続けたこの部屋は私の中にある塞いだ感情を掻き乱すけど最後には確かに私を落ち着かせてくれるのだ。
きっと私はその少しの落ち着きに、何故か感じる暖かさに、父親と言う存在をとらえているのだろう。
tragic factor
愛されたいと願った
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