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友人はまだ来ていないらしく、適当な所に入って一人待つ事にする。スリザリンの車両から少し離れてしまったので友人が見つけにくいかもしれないが、座る場所が無くなるよりはずっと良い。
こういう時に魔法界には携帯電話が無いから不便だ。あれでメールしておけば何処にいるのかすぐに分かるので便利なのに。
少し昔を懐かしむ。
……こんな風に昔を思い出すことなんて今までは殆ど無かったのにどうしたんだろうか?
「いっ…!」
急に痛み出した頭を抑えてうずくまっていると
昔と今、二つの記憶が入り混じって
向こうにあって此方に無いモノ、
向こうに無くて此方にあるモノ。
記憶に残る様々な出来事が断片的な映像となって頭の中をを流れる。
『魔法使いの子供なんて』
私を睨む目。
『あんなモノ残して死んで…』
『忌々しい…」
囁きあう大人の声。
『どうしてあんたなんかが…!』
ヒステリックに叫ぶ叔母。
『レ…グ…』
ベッドに横たわりながら息苦しそうに私を見る女性。
『本当にあいつの子供なのか?』
私の顔をまじまじと見る大人。
『…!此処まで似ているとは…』
どこか期待した目をしている大人たち。
『しかし、血を裏切った者の子供なんて…』
『あれの子で無いだけ良い』
私を抱きしめたナルシッサさん。
「レミ、レミ!」
「っ!」
急に肩を叩いて呼ばれた。
「あぁ、セドリック…」
「大丈夫かい?随分と顔色が悪いけど…」
「…大丈夫よ。気にしないで。」
「そう?あ、そうだ。此処座っていいかな?もう他は空いていないみたいなんだ」
「ええ、どうぞ。後から友達が来るかもしれないけど、それで良いなら」
「ああ、構わないよ。ありがとう」
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