はあ、少し疲れたけどこれで問題ないでしょう。
急いでルシウスさんの所へ戻ろう。
「よお、ブラック」
「…ウィーズリー」
路地を出るとウィーズリーの双子の一人が待ち伏せしていた。
「俺一人のときぐらい名前で呼んでくれないか?」
「あなたの名前なんか知らないわ」
「・・・ジョージだよ。それにしてもさすが女王様だ。困ったことは全部金にものいわせて解決か」
「本当に鼬はこそこそと嗅ぎまわるのね。まああなたにはやりたくても出来ないでしょうけど?」
だんだんと鬱陶しさが増してきたウィーズリーにこっちも睨むように相手を見つめる。
「随分と傲慢な女王様だ。それに鼠に鼬に動物に例えるのがお好きなようで」
「どっちも同じようなものよ」
もう、何なのよ本当に鬱陶しい。
ウィーズリーがチッチと舌を鳴らして言う
「鼬はネコ目だ」
あぁ!もう!
「さすが、ウィーズリー。自分のことには随分と詳しいのね。そうだわ、せっかく勉強させて貰ったんだもの、これ貴方にあげるわ」
さっきの記者から取り上げたネガをウィーズリーに渡す。
「は?これって…」
「好きに使っていいわよ」
驚いて間抜けな顔をしているウィーズリーを置いてさっさと帰る。
ルシウスさん達が探しているかもしれない。急がなきゃ。
案の定、ルシウスさんが苛立ったまま待っていた。
どうやらドラコは先に返したらしい。
「勝手に何処に行っていた。何のつもりだ?」
「何のつもりだ?よくあなたが言えたことね。その傷どうナルシッサさんに説明するつもりだったの?誤魔化しても無駄よ。ロックハートが記者にルシウスさんたちの喧嘩を宣伝用の記事にするように頼んでたのよ。明日にはバレちゃいますね、魔法使い全員に」
あんまりな言い草に少し腹が立って言い返せばルシウスさんが慌てて外に出ようとするから引き止める。
「安心してください。手はまわしましたし、写真も処分しました」
「…そうか。すまなかった」
「いえ、でもせめて私に守らせようとしているモノくらい私が引き継ぐまでは保たせておいて下さい。じゃないと幾ら何でも守りきれません」
「そうだな…」
帰るか、と言うルシウスさんの後ろを付いて歩いていたときにふと思い出したことを聞く。
「ルシウスさんはマジック得意なんですか?」
「マジック?魔法使いならあたりまえだろう」
「ああ、いえ、そっちではなくてですね」
ええっと、なんて言えばいいんだろう?
いいや。直接聞いちゃえ。
「こっそり物を忍び込ませるなんて技、何処で覚えたんですか?」
「っ!」
あんまりにも驚いてこっちを見るので笑えてきてしまう。
「大丈夫ですよ。今のところ、私以外気づいていないでしょうから」
「そうだ。帰りにセブルスのところへ寄りましょう。それで怪我も隠してしまいましょうよ!」
「ああ、そうするか」
the witch’s temptation
(魔女の誘惑)
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あとがき
そうしてこの後二人でスネイプ教授の家に押しかけます。
意外と主人公とルシウスの仲は意外といいです。
そして作者も意外だったのは主人公のお嬢様口調の徹底振り。ただし寝起きを除く←
そして双子との仲の悪さ。書いてるときに何故か双子の顔が教授を苛めている時のジェームズの顔に変換されました。
更に双子相手だと主人公の女王様っぷりが見事に上がりますね。何故?!
しかも今回は古瀬史上最長の長さになりました・・・・
1ページだときついので4分割しました。
ああ、驚いた。
それは甘すぎる毒だから
19/05/2011
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