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今日君は卒業する。

卒業おめでとう。

この学校を卒業したらもう私の授業を受けることも、私の所へ質問に来ることも無くなるね。ああ、授業中に黒板じゃなくて私ばかり見ることもね。
…ごめん、思い出したら少し笑えて来て。堪えようとはしたんだよ。
あの時は私だって驚いたよ。あんなに私の方を向いているのに当てたら何も聞いていないんだから!

今まで言わなかったけど、
君が下らない話をして笑う顔が心地好かった。真っ直ぐ私を見る目が好きだった。
真剣に話す君のギュッと握られた手に愛おしさを感じた。
君が全身で私を好きでいてくれていることが嬉しかった。
でも君とは今日でもう会うことも無いだろうから何も言わないことにするよ。

君は今日で私からも卒業するんだ。

わたしが一番君の幸せを願っているなんて思い上がったことは言わないけど、いつか君のことを世界で一番幸せにしたいと言う人が現れるから君がその人と幸せに成ることを願ってる。

君は自分の幸せは自分で掴めると言うだろう。

そんな君に私は最後に先生として、そういう人を選ぶことが自分の幸せを掴むということだとだけ伝えておこう。

もし私が君と同じ生徒だったら私から気持ちを伝えていたかもしれないけど、私が先生でなかったら君は私を好きにはならなかっただろうね。


卒業 2013/03


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