ジャンル未定
2011/08/18 02:10
僕が私になったのは10年前の夏休み、祖母の家に帰省に行った時だった。
田んぼ以外何も無いような田舎街に退屈していた僕は携帯電話を弄りながら目的も無くフラフラと歩いていた。
田んぼと田んぼの間の一本道をただひたすら歩いていたら緑のど真ん中に立っていた無機質な灰色。
僕はその不自然に存在を主張する廃ビルに惹かれて中に入ると家に帰れなくなった。
廃ビルを出るとそこは緑も灰色も無い真っ白だった。
ピンクのふわふわも見えた気がする。
何も分からないままただパニックで頭が働かないまま身を任せて、そこが病院だったこと。僕が私に生まれ変わっていたことに気が付いたのはもう私が二歳になったあとだった。
← | →