英仏

お兄さん流☆子供のしつけ方



「ベベちゃん、俺のイルフロタンは食べたいかい?」
フランスがデザートの乗ったプレートを手にキッチンから出てきた。美味しそうなカップに、子供たちはあっという間に集まった。フランスの足にしがみつき、おやつを欲しがった。
「じゃあ、リビングでおとなしくしてるんだよ。取り合いはダメだぞ」
プレートを高くあげてフランスが言うと、子供たちはリビングへと駆け足だった。ソファに座り、見慣れないデザートを目を輝かせて待っていた。
フランスが子供たちの前に一つずつ置いていくと、興味深そうに見つめてから、スプーンで救い始めた。
「悪いな、フランス」
珍しく素直にイギリスが言った。子供たちはイギリスが預かった知り合いの子供で、イギリス一人ではどうにもならなかったらしい。イギリスは基本的に、子育てが得意でない。
「んー、別に構わないよ。楽しいし。この子らにお前の料理食べさせるほうが不安だし?」
子供の視界の外で、イギリスはフランスを蹴りつけた。地味に痛いが、悲鳴をあげて子供たちを驚かせるのも嫌だった。
「それに、小さな子の世話なら慣れてるんだよね、手のかかる誰かさんのお陰でな」
焼き上がったタルトを切り分けて子供たちに配りながら、フランスはイギリスを見ずに言った。
「……おい」
「なんだよ、おっきなべべちゃん」
赤ちゃん呼ばわりされたことに腹を立てつつ、出したくなる手を、イギリスは必死に押さえた。
「タルト」
一言だけ伝えて、イギリスがそっぽを向く。相変わらず、素直じゃない、子供らしくもない。それでも、フランスはたいして気にはしなかった。
「はいはい、ちょっと待ってなよ、モンシェリ」




 

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