おまけ2

クリスマスを楽しむのは、もはや万国共通である。西欧もまた、例外ではない。
「メリークリスマス、来年もおいしい菓子をいっぱいな食べられますよーに」
「食い物以外にないんか、お前は」
「あるで、もちろんや! でもそっちは気恥ずかしうて言えへんわ」
スペインとロマーノが出掛けているから、今年のクリスマスは、オランダとベルギーの二人だった。サンタクロースがやってくるのを待ちながら、ベルギーはチョコレートを頬張っていた。今年もいい子にしてたんやて、きっと素敵なプレゼントもらえるさかい。るんるんと言うベルギーを尻目に、オランダはココアを飲んでいた。
「ピーターに連れてかれてまえ……」
「ん、お兄ちゃん、何か言うたぁ?」
「知らんわ」
疲れたと言わんばかりに吐き出したため息は、わずかに白がかっていた。部屋のなかは温かい。まどに目をやれば、もちろん水滴がついていた。オランダの視線を追ったベルギーがとたんに目を輝かせた。
「お兄ちゃん、見てや、雪やで、雪!」
「やかましいんじゃ」
「スノーマン作るさかい!」
慌ただしく外に飛び出すベルギーに、オランダは呆れた。しかし風邪を引かれて看病させられるのも困る。ソファに転がっていたコートと手袋を二人ぶん持って、オランダも外に出た。
「メリークリスマス。やぁ、ベルギーさん、オランダさん」
明るいブロンドの少女の登場に、オランダは目眩がした。もっと静かに過ごしたかった。

雪を踏む音が、何だかわくわくして仕方がなかった。
「楽しみやんなぁ」
「おい、スペイン。まじでやんのかよ」
「親分、一度言ったら必ずやる主義やからな」
「嘘吐けぇ」
やる気の無さそうなサンタクロースと、やる気のありすぎるトナカイは、やはりスペインからやって来た。いい子にはもちろんプレゼントがあるのだ。ハイテンションなスペイントナカイに、数時間前のオランダのように、ロマーノサンタがため息を吐いた。
「ロマーノ、ロマーノ、ちょい見てみぃや!」
何だよ、と面倒くさそうに振り向いたロマーノも、こちらに笑いかけるように立ちすくむそれに、ついつい口元が緩んでしまった。








画像はフランネルからの手紙さま



 

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