おまけ1



パリのペールノエルは気前がいいらしい。クリスマスプレゼントと称して、色とりどりの飴を配っていた。モナコはその飴をありがたく受け取った。
今日のパリはいつもよりも静かで、みんな家でクリスマスを祝っているのだと思う。開いている店もわずかで、モナコはすいすいと歩いていた。
「ボンジュール、モナコ」
待ち合わせ場所に、フランスは時間通りに来ていた。腕時計を確認すると、まだ10分ほど時間があった。
「今日はおめかししたね、可愛いじゃないの」
「ふむ、ありがとう」
「モナコは可愛いなぁ。ほんとに、素直でいい子だよ」
どこかトゲがある気がした。イギリスと何かあったのだろうか。モナコが疑問を口にするより早く、フランスが彼女の手をとった。その手に唇が落とされて、余計に怪しいと思った。
「メリークリスマス。さて、行こうか」
これは、本当に、何か気に食わないことがあったに違いない。もちろん、イギリスと。聖夜にまで、何の喧嘩をしたのやら。いつでも変わらない兄貴分に困りつつ、微笑ましく思った。
「ちょっと待っていてくれたまえ、電話をするのを忘れていたのだ」
疑うことなく、フランスはひらひらと手を振った。モナコが電話する相手は、もちろんイギリスだった。

サンタさん、二人に良いクリスマスを。





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おまけだし、適当に、ね



 

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