おまけ



「ヴェスト、見るな!」
「それじゃ、せっかく着た意味がないじゃない」
「ハンガリー、てめェ!」
「はい?」
ハンガリーのフライパンがプロイセンの顔面を直撃した。悶絶して、もう何も言えない。
リビングに戻ってきたハンガリーとプロイセンの姿を見て、ドイツは絶句した。プロイセンは、ロングヘアーのウィッグにヘッドドレス、ミニスカートでさらされた足はニーソックスを履いている。全体のカラーリングはプロイセンらしいが、趣味は彼ではなくハンガリーのものに違いない。日本の家で見たことがある気がする。というか、国内でも見たかもしれない。そのハンガリーは、プロイセンとは対照的なパンツスタイルだった。二人とも黒を基調に、鮮やかでシンプルな装飾が数世紀前の華やかな雰囲気を感じさせた。
兄を凝視したまま何も言わないドイツとは逆に、オーストリアは妙に笑っていた。
「お似合いですよ、プロイセン」
「嫌味かよ!」
「もちろん、ハンガリーも」
「ありがとうございます!」
わけがわからない。
オーストリアはバスケットに菓子を積めて、普段通りカジュアルに、身支度を整えた。
「さて、行きましょうか」
「はい、オーストリアさん」
「貴様ら、本当に、なぜ俺の家に来たのだ……」
嫌がるプロイセンを引きずるように、オーストリアとハンガリーはドイツ宅を後にした。
一人になってようやく落ち着いたかと思ったとき、またベルが鳴った。




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「仮装をしたら、準備完了!」と「両手いっぱいのお菓子」の間の話でした。



 

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