恥ずかしいから許して



じっと、飽きもせずに、甘寧は俺のことを見つめている。それが耐えられなくなっていた。なんなんだっつの。理由を聞けば、きっとくだらない答えが帰ってくる、間違いないね。逃げるにしても、ここは俺の邸で、寝室で、つまり逃げ場もない。何でこうなっちゃったのよ。こいつを邸に入れたことを本気で後悔している。マジで、どうしようか。せめてくだらない世間話とか音楽とか、喧騒の中であればよかったのに。あーあ、一言も会話がない。この沈黙が一番心臓に悪い。そもそも、甘寧が目の前にいることこそ、心臓に悪い。
あれ、なんで俺も黙って顔ばかり見てるんだろう。
視線が気になって気になって、俺は甘寧から顔を背ける。背けているはず、そうだよね、俺。
今、俺の視界の真ん中には、甘寧がいるんだ。いくら背けても、結局、また見ているってこと。

どうやら俺は自爆しちまったようだ。




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色々30題14
楽譜。

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