カーテンの向こう
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窓は開いているが、レースのカーテンが引かれていた。その向こうにいる彼女は、どうしても見えなかった。せいぜい、うっすらと影が見えるくらいだ。せめて気づいてもらえないかな、と庭先から部屋を覗いてみた。やはり、意味はなかった。高嶺の花、というのだろうか。俺にとっての彼女は、まさにそれだと思う。距離は、遠すぎる。
今日はここまでだ。足早に、駆けていった。
「――気づいていますよ、ふふ」
「どうしたの、何かあるの?」
「いいえ、お気になさらないで」
ただ、お姫様の気分です。





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カーテンを一枚企てて、そこに佇む女の子。
彼女に思慕を寄せる、一人の少年。





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