元には戻らない
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「慶次殿、団子の恨みは大きい、と知りませぬか」
「団子限定の恨みはさすがに、ね」
食べ物の恨みは知っているよ、なんせまつ姉ちゃんがうるさくてね、はは。笑っている場合じゃあないね。全国を放浪中で、その途中で上田に寄ってみた。なんだかんだで追い出しはしない真田主従に感謝。そんなときに起きてしまった。腹が空いてた。それで思わず、そこにあった団子を食べちゃって、今に至る。
「ごめん、幸村、だから許して」
「問答無用、成敗でござる」
「食っちゃったぶん買ってくるから」
「数は増えてもあの団子はすでに慶次殿の腹の中」
あぁ、もう、どうしよう。助けを求めようかと忍びを探してみたけれど、姿が見えない。もしかして、逃げた? まさか。
「覚悟はよろしいか」
幸村って加減を知らないんだよな。やむを得ず、俺も超刀を抜いた。次はどこに行こうかな。





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