水辺
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月下の下、穏やかに流れる川岸で、彼女は二胡を奏でる。 「美しいぞ」 そのすぐそばで、一人の男が、彼女を見つめた。彼女の邪魔をしないように、ただ静かな声で、美しい、と言った。着飾らない、素直な誉め言葉。美女は男のために、二胡を奏でる。音楽も、歌舞も、すべてはこの男の安らぎのためだ。それが、今の彼女が、本当にやりたいことだった。この先はもう見えないけれど、彼女は満足だ。 「お望みなら、舞いましょう」 あぁ、俺の前で、ずっと舞っていればいい。男は美女を手放したくなかった。 男は幸せだった。美女も幸せだった。まだ、幸せだった。
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想像は自由と言いながら、誰と誰と決めて書いている事実。←
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