遜る
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「私なんかより、あなたのほうがずっと優秀じゃないの」 と学級委員長が言う。ひとつの机に向かい合うように座っている。机の上には、俺のテスト結果通知が置いてあるのだ。ちなみに、クラス一位。クラス二位はいない。 そう、俺は知っているのだ。クラス二位はいない。つまり、クラス一位は二人存在する。 そう、俺は気づいているのだ。委員長こそがもう一人のクラス一位であると。 そして、見えているものがひとつ。 (怖い、委員長の黒オーラが怖い) そんなもの、見えるはずがないのによ。
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Circulation.
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