天のお導き
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(頼むぜ、my god!)
帰りのLHR、季節の恒例イベント、席替えだ!
何してんだ、こいつは。クラスの誰もがそう言いたくなった。政宗のテンションは、いつも以上に次元が違った。それが、笑いを越えて、失笑となる。
目指すは幸村の隣、ヤー!
「なぁ、毛利。お前、どこの席になった?」
「窓側前から三番目。貴様には関係なかろう」
「お、偶然だな。お前の隣だぜ、俺」
瀬戸内組の回りに淡い桃色飛散。先に幸運を掴み取った元親は、政宗に勝者の笑みを向ける。ぐはっ、政宗は100のダメージ。
「長曾我部はどうどもいい。真田、貴様はどこになったのだ」
はっ。それは政宗も気になる情報だ。そんな人の気は露知らず、幸村はひらひらとくじを見せる。
「2番、でござる」
「ということは、伊達は9番を狙えばよいのか」
「政宗殿?」
元就は政宗に策士の笑みを向けた。くっ……、政宗は焚き付けられた。戦意高揚、勝ち取ってやろうじゃねーか、待っていろ、9番!
くじを持つ佐助が、白々しく、政宗を呼ぶ。伊達の旦那の番だぜ。佐助の真っ黒な笑みが、政宗に迫る。しかし――
Ha! そんなの、効かないさ。
佐助の牽制をもろともせず、政宗は箱に手を入れた。これだ、この九時だ。掴む、そして、引く。出た数字は……
「Yeay,来たぜ、9番!」
一人喜ぶ政宗だが、佐助は笑みを絶やしてはいない。なぜ?
「あっれ、9番は俺だよ?」
と、慶次。なんだと?
「伊達、くじをよく見ろ。6番ぞ」
「!?」
まさかの、ミステイクである。
「あちゃー。独眼竜、番号間違えて叫んだね」
「恥ずかしい限りでございますな」
「あとさ、隣よろしくねー、幸」
なんということだ。
「アンタに運がなかったってだけでしょ」
ごもっともです。




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馬鹿みたいな馬鹿な話が、恋しくなるの。←







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