時間の問題
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「麗華様、こちらです」
美しい容貌の彼女は、この横になった男の妻であった。
「孫策様」
麗華はそっと夫の枕元に歩み寄り、彼の名前を呼んだ。目を薄く開いた彼は、小さく、小さく笑った。弱々しく手が伸ばされる。その手を、麗華が取ることはなかった。孫策は、少しだけ悲しげな顔をした。それを、麗華は知らないふりをした。この男の生は、残り少ないのだ。麗華と婚姻して、まだ日も浅いというのに。
「麗華、すまないな」
「ほんとう、ですわ」
「すまない、時間が、ない……」
「存じております」
「私を、愛しては、くれたか?」
「……知りません。愛など、わたくしは、知りません」
身動きしない麗華の手に、孫策から触れた(触れてくれないのであれば、自ら触れてしまえばよい)。上質な衣の袖が、濡れていた。そのふとしたことが、孫策には嬉しかったようだ。
「麗華よ、私を想ってくれて、ありがとう」




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名前はオリジナル。大喬だよ。





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