楽園は遥か遠く 二人で会うためには、距離がありすぎるのだ。つくづくそう思う。屋敷の縁側で遥か遠くを見ながら、政宗は無表情で煙管をくわえていた。その内で、彼は深く考えているのだった。 「政宗様」 竜の右目である小十郎が呼んでも、反応はなかった。重症だな、これは。小十郎としては、嬉しいような、困り果てたような、そんな苦い心境だった。病名、真田幸村依存症、なんちゃって。 「……よし、出兵だ」 「はい?」 いくらなんでも、急すぎる。何をそんなに焦る必要があるのだ。 「早く、天下を統一するんだよ。それが手っ取り早いだろ?」 実に安直ではあったが、言っていることは、あながち間違いでもなかった。政宗様らしい、と小十郎は静かに笑った。 「待ってろよ、真田幸村」 すぐに、俺のものにしてやろうじゃねーか。政宗の道のりは、まだまだ険しい。 -------------- DOGOD69 お題の捉え方が、明らかにずれている件。 ← |