走って走って走って! キャンパス内を自慢の俊足で駆け抜ける。 「お、石田じゃねーか。どうした」 「邪魔だ、長曾我部!」 これを神速と呼ぶのだろうか。面倒見のいい元親が声をかけても、三成は止まらず走り去っていく。元親は首をかしげた。振り返っても、そこに彼の姿はなかった。 学生寮の場所は知っている。もちろん、狸の部屋番号もだ。エレベータも使わずに、階段で、あの部屋まで駆けた。ここまでノン・ストップだ。相当息も上がっている。 「三成、慌ててどうした」 「家康……」 まともに喋ることもままならないほどだ。とりあえず、家康の部屋で休憩。 「そんなに、慌てる必要はなかったろう」 外は寒かったのだろう。一見暑そうだが、指先は冷たいし、鼻も赤い。そんな三成に、家康はホットココアを作った。 「貴様が、会いたい、とか言うからだ」 突然のメールに、三成も驚いた。それを半兵衛に見られて、羞恥で顔が真っ赤になった。何も考えられなくなって、一心不乱にここまで駆けてきたのだ。元親だけではなく、政宗や孫市にも見られた。孫市は写真に納められてしまったし、後日どうなることやら。 「ワシは、嬉しいぞ。三成がこんなまっすぐに会いに来てくれて」 へらへらと笑う家康は、憎めない。しかし、それで羞恥からくる怒りが治まるわけでもなかった。 「第一! 貴様から会いに来ればいいのだ! なぜ私がこうも苦労しなければならない!」 暴れ始める三成を、家康は無理矢理抱き締めて制した。最初はぽかぽかと殴り付けてくる三成だったが、次第に大人しくなった。持久力の無さが弱点か。 「会いたかったぞ、三成」 「貴様……!」 早く家に帰りたいと思った。 ------------- DOGOD69 やっと進展か。 ← |