こんな感じで僕らは幸せなのです



「昔からね、佐助、佐助ー、ってね、今でこそあんな武士に育っちゃったんだけどさ、すごく可愛かったんだから」
そこを御宅の主君サマに奪われちゃってさ。
屋敷の縁側で茶を啜る小十郎を前に、佐助はぶつくさ語り始める。幸村のことだ。なぜ彼がここにいるのか、それは政宗に会いにきた幸村の付き添いだ。
なんだかんだ言っても、幸村と佐助の信頼は深い。佐助の一番は、幸村に違いない。しかし肝心の幸村は、好敵手の政宗と親しくなって、佐助は複雑な心境だった。そんな彼だって、小十郎とそういう仲なのだが。
俺、独眼竜のことは、嫌いだね。ひとの主君を堂々と愚弄する気か。その類いの責めはひとまずあとにする。
「なんだ、寂しいのか、お前」
かぁー、と佐助の顔が赤くなる。ときどき、忍びらしさが消えるらしい。今の彼は、普通の人間にしか思えない。それが、小十郎にはおもしろかった。
「別に、そんなんじゃないから」
「意地を張るな。俺がナグサメテやるか」
「は、反則技じゃん、そんなの」
それでも、飛び付いてきた。悪い話ではない。行動は素直な佐助に、小十郎はにんまりした。
「なぐさめてくれんでしょ」
「あぁ。だから、政宗様を悪く言うなよ」
「……うん、すみませんでした」
「猿飛、中、入れ」
素敵なお誘いだ。しかしためらいがちな佐助の腕を、小十郎が引っ張った。
「……失礼します」
「お前らしいな」
「俺らしさなんて、知らないし……」
なんだか考えることもできなくなってきた。
といいことで、今は何も考えずに、そのまま動こうと思います。
「ん、あれ、旦那はどうしたっけ」
「知らねーよ」




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いつの間にか、ここのばかっぷる担当です(え)
ほんとに、ごめんなさい





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