深夜にふたりの土曜日




狭いベッドに二人で身を寄せる。背中合わせで互いの顔が見えない。それが残念だったり、幸いだったりする。背に温もりを感じながら、二人は静かに言葉を交わすのだ。
「些細なけんかなら、すぐ仲直りできるよ」
時間が、解決してくれるかもしれない。慶次が例えにあの政宗のところを出すから、半兵衛はくすっと笑った。笑いながら、うんうん、と頷く。あの二人なら、けんかはしょっちゅうしていそうだね。仲直りするのも早いのだろうけれど。想像するのに難くない。
「慶次くん、」
「どうした」
「ありがとう」
「んー、珍しいね、明日は雷か」
「こ、ここは素直にありがたく受けとるところだろう!」
「わかってるよ」
いつのまにか向きを変えた慶次が、半兵衛を後ろから抱き締めていた。気恥ずかしさに、身をかたくした半兵衛は、らしくなかったり。しかし、そんなことはないのだ。慶次はそう思う。慶次だって、同じようなものなのだから。
「なぁ、はやく、仲直りしなよ」
「そしてさ、みんなで遊びにいこうよ」
もうすぐ時計の針は零時を回る。慶次と半兵衛の、二週間目が始まろうとしていた。





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別に忘れていたわけではないし、手抜きなわけでもない。ただ、ここの慶半(慶+半)の最初の話だしね、かるーくにしたかったわけだよ。言い訳だけれども。
最初の慶次の前ふりが、活かせてないね。要は、慶次も半兵衛も傷心中ということでした。蒼紅は比較対象で、さして活躍はなかったけれどご愛敬。

何か足らないならこれから補え! それでいいじゃないか! え? よろしくない? ご愛嬌です。






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