1.光秀と蘭丸
蘭丸「光秀どの! 信長様を討とうとは、ご乱心なされたか!?」
光秀「あぁ、誰かと思えば、蘭丸か。どうも、おひさしゅう」
蘭「ふざけないでくださいっ」
光「ふざけてなどいない。この光秀が信長様を殺めるのは、当然のこと……」
蘭「なぜ……」
光「『なぜ』? お前がそれを言うか」
蘭「え?」
信長「光秀、接待の任から外す。今から高松まで行ってこい。猿めの援軍に回れ」
光「承りましてございまする」
信「それとだな、光秀よ、ちょっとちこう寄れや」
光「まだ何かありましょうか?」
(光秀、おそるおそる、上座の近くへ)
(信長、蘭丸へ耳打ち)
蘭「はい、信長さま」
(蘭丸、拳を握り、構える)
(光秀の後頭部を殴る)
光「痛っ!」
蘭「信長さま、これでよろしいでしょうか」
信「うむ。ご苦労、お蘭」
光「信長様? これはいったい……」
信「とくに意味はない。しいて言うなら、手前の接待態度が気に食わなかった。いちいち、理由を求めんな。お蘭の人を殴る姿見たかっただけだしな」
光「!」
蘭「光秀どの……、まさかあれをお怨みで……?」
光「あれだけではない! あのヤロウ、毎回毎回、俺様に八つ当たりしやがって……!」
蘭(キャラが崩壊し始めた!)
光「作兵衛、蘭丸の相手を頼む。俺は許しがたき信長公を討ってくる!」
作「光秀様、ご武運を!」
蘭「そんなぁっ!」
(明智の三羽烏が一人、安田作兵衛国継参戦!)
作兵衛の豪槍を避けながら、この夜襲は起こるべきして起こったのだと、悟った蘭丸でした。
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俗説によれば、信長は森成利(蘭丸)に光秀の頭を叩かせた。
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