森蘭丸による、信長さまを説明する会話。
みなさま、こんにちは。または、はじめまして。織田上総介信長さまの小姓をしております、森蘭丸です。
今回は『織田家の日々然々』番外編ということで、私が信長さまを紹介させていただきます。
番外編というほど、本編は進んでないだろ? 十分承知の上ですよ、ふふ。
説明だけではつまらないですからね、早速、はじめましょうね。
「信長さま、おはようございます」
「おー、おっはよーだな、お蘭」
「『お』に拘ってみたのですか?」
「うむ。おもしろい洒落が浮かばなんだ」
信長さまは、駄洒落が好きだったりします。おもしろいことが好きなのです。
「では、気分転換に散歩などはいかがでしょうか」
「いい考えだ、お蘭。早速行くぞ、ついて参れ!」
「かしこまりました」
思い立ったら即行動です。しかし、考え無しに突っ込むということではありませんよ。あしからず。
「あら、おはようございます、蘭丸殿」
「お芹どのですか、ご苦労様です」
「蘭丸殿、ひとつお願いしもよろしいでしょうか」
「私で構わないのでしたら……なんでしょう」
「濃姫様が暇をお嘆きだ、と信長様にお伝えくださいまし」
信長さまには、お濃さまという、非常に美人な奥方がいます。お芹どのはお濃様の侍女です。お濃さまは、信長さま同様、興ざめたものを嫌うところがあります。
織田家の家臣は大変ですねっ!
「信長さま、お濃さまが、この暇をどうにかしてほしい、と」
「濃には芹がおるではないか」
「それもそうですね」
信長さまは一見するとお濃さまに対し淡白ですが、実はちゃんと見ておられるのですよ。お芹どのとも、仲が良かったりされますからね。
「――久しぶりに、お蘭と外に出た気がする」
「そうですね……」
「やはり、お蘭といるときは、癒されるな」
「……はいっ!」
この蘭丸がそばにいる限り、信長さまに退屈はさせたくないと思うのです。
我らが殿、信長さまについて、少しはお分かりいただけましたでしょうか。
結論を言ってしまえば、信長さまは、簡単に言葉にはできないお方です。
最後に一言申すのならば、信長さまは素晴らしいお方であります。私たちの殿は、信長さま以外にいません。
「美化し過ぎだろ……(ぼそ)」
「何か言いましたか、光秀どの?」
「いや、何も」
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しまらない。おちなんてない。
拍手においていました。
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