6.閉幕のお時間
光秀「信長……、信長……」
利三「だから言ったではないですか、反対だ、無理だ、と」
光「しかし……」
利「上様の骸が見付からないのは、さすがに予想外だと申されますか」
光「うむ」
利「後悔先にたたず、ですね。我が殿、今やるべきことをしましょう。まぁ、上様の生き霊に襲われないように、お気をつけください」
光「生き霊って……」
利「生きて出てきたりしてね、さすがは上様だ」
光「……まさかな」
利「あ、の、信長様っ!?」
光「!!!!」
利「嘘だぴょん」
光「二重に恐ろしいから、まじでやめて、利三、お願いします」
利「つまり、我が殿は、謀反を起こしても、上様が怖い、ということですね」
光「悪いか」
利「いいえ。我が殿らしいと思います。我が殿らしいへたれ具合です」
光「さりげなく馬鹿にしていないか?」
利「気のせいでしょう。さて、仕事しましょうか。やることはたくさんあります」
光「わかっているさ」
利「余生、どうせなら、盛大に、飾りましょう」
光「……それはどういう意味だ」
利「これからも我が殿を苛めて楽しもう、という意味です」
光「嘘だよね、弟よ」
後日、猿こと羽柴秀吉の軍に破れ、明智の天下は、叶わなかった。
秀吉「これは絶好の機会だぜ。逃したりはせんぞ。天下も女も、儂が納めてやるのだ!」
光「あの猿めが……!」
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お疲れさまでした
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